ミュージカル ジェイミー 感想

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8.18公演に行ってきた!

ジェイミーは森崎ウィンさん。キービジュアルでとても惹かれたので日程が空いていてディーンが流司さんでジェイミーはウィンさんの日…となかなか大変だったけれど笑

以下ネタバレ含む感想。↓

M1 誰も知らない

ボックスの形をした椅子を使いつつ歌うクラスメイトたち。かなり印象が残る歌なので初っ端としては正解かも。この椅子、色んな場面で出てきてテーブルになったりと色々活躍するのですが暗転して椅子を回収したり並べたりする際も生徒役の方たちが上に持ち上げてくるくる回しながら移動してやるので可愛い。

あと1個いい?このクラス、うるさい…!笑

ミス・ヘッジ(生徒指導的兼ねてそうな先生)に将来の夢は?と聞かれた際、ディーンは皮肉たっぷりに「一番素晴らしく〜、そう、先生のような」って返すんだけど多分明確な夢がないんだろうな〜この子という印象を受ける。声高々に夢語るのダサいとか思ってそう、これで実は本当に先生にちょっとなりたいんだけどダサいから胸張って言えない、とかだと可愛い。

M2 頭の中の壁

葛藤するジェイミーのソロ。曲は良いんだけど個人的にまだ気持ちが入ってない感じがして、んーと思いました。終盤になるにつれ歌がどんどん良くなったのでギアかかるのが遅いのかな、でもすごく歌は上手い!

誕生日祝いのハイヒールをプリティに見せ、ディーンに言い返すこともできとここまでは結構トントン拍子。終始そうだけどジェイミーの母、マーガレットの理解と懐の深さがあるからこそのお話。これ、流れはところどころ違うとはいえそのレベルの理解を示した母が実際にいたのがすごい…。ジェイミーの父も理解があるように見せる為の気遣いが既にでてる。メッセージカード+お金であんなに喜ぶジェイミーの何がいけないんでしょうか?笑

場面は変わってドレスショップ、ヴィウターズ・シークレットを訪れるジェイミー。そこは伝説のドラァグクイーンと呼ばれたロコ・シャネルでもあるヒューゴのお店。迷うジェイミーに対して「ドレスがあなたを選ぶ」と言うセリフ、貫禄がすごい…!

選んだのは真っ赤なドレス。ロコ・シャネルもかつて真紅のドレスを着ていた模様。自分がロコ・シャネルであると明かす(ジェイミーはその存在すら知らないけど)際にセットの一部に映像が映る。これとてもよかった、プロジェクションマッピングはナルステで観たことあるけどたまに使うからこそ活きる演出ではあるなーと思う。

ロコ・シャネルは惚れた男性が他の人にも手を出していた事実を知り、悲しみと怒りで銃でー

といった過去がある、とジェイミーに話すけれど、その存在自体が物語なのだからとどこまで本当かはわからない。ここ、上手側でロコ・シャネルとその男が出てくるんだけどドレスがまた素敵。1回くらい衣装チェンジするな、と思っていたら白に変わったのでおお〜と眺めていたら発砲音で倒れる男。その傍に膝をつき溢れ出る血の演出で赤い…あれはキラキラするタイプのテープかなぁ、を両の掌で掬うロコ・シャネル。

その瞬間白いドレスから真っ赤なドレスへ。これでその世界にいられなくなったのか、はたまたどこからか嘘なのか。ジェイミーにはわからないけど演出として作中で一番好きでした。

ちなみに後半、捕まるかもしれない覚悟で〜、

と言っているのでもしかしたら本当なのかも(?!)

面白いなと思ったのがジェイミーが後半で自分を「彼女」と三人称で呼んでいたり、ヒューゴもロコ・シャネルを物語、と表したりとどちらも『現実』に生きる『自分』でないのが印象深い。     

自分たちがある程度少数派である現実に耐えられないからこそ自分ではない自分として託しているのかもしれない。物語である、と自分で結論付てしまえば人に語るとき確かにハードルは下がるよね。

と、思いつつも単にちょっと可愛い洋服を着たときの、「今日の自分」、可愛いな!っていつもより顔上げて胸張って歩けて、知り合いに会いたいな、と思うあの感情(あるよね?!)と同じなのかなとも思ったり。そうすると一気に親近感わく。ジェンダーが題ではあるけど自分に置き換えて共感できる点があるのは感情移入しやすくて良かったかも。

本編戻るね。プロムの前にドラァグ・ナイト、簡単に言うとショーにでなさい、とヒューゴから言われ、ジェイミーは一度帰宅。選んだ赤いドレスはそれまで貸してくれるそうで、支払いはそれまでに済ませればOKとのこと。良い大人だ…!

ただジェイミーの家は決して裕福ではなさそう。父はいないし(この場面あたりで恋人がいると母・マーガレットに明かしてる)ハイヒールも奮発したみたいなのでドレス代は流石に大変。

マーガレットは若くして結婚・出産をしてるみたいで要はジェイミーの父しか知らない。早婚にちょっとありがちなダメ男ガチャってところ?残ってるのは昔もらったペンダントだけ。それすら(元)夫にはいつまでそんなもの(流石に酷い)、と一蹴され、昔の自分へ、と後悔と微かに残った幸せを歌ったのがM5。

場面は変わって教室。

この辺ちょっと2幕と混ざり始めてるんだけど(すぐメモらないから…)ディーンが「気持ち悪い」と言ったり、プリティとお手洗いで眉描いてるところをミス・ヘッジに見つかって呆れられたりとなかなか厳しい現実。ディーンはここで人連れてからかってやるよ、と宣言。うーんまだやっぱり悪ガキ。ここがM6。

自尊心が傷ついたジェイミーは日和ってやっぱり出ない、と言い出す。ここでもフォローに入れるマーガレットとその親友レイ。レイが本当かっこいい女、って感じで素敵。もう少しマーガレットとの掘り下げがあっても良いと思う、なんでここまで親身なんだ…とはなります笑

「き」のつく単語は禁句なの、と慰めるヒューゴ(綺麗はダメなんだろうか)他のドラァグたちも来て着飾るのを手伝ってくれる。M7ですね。ヒューゴに『彼女』の名前は?と問いただされ、わからない、知らない!と言うジェイミー。

問答の末、生まれた『彼女』は「ミミ・ミー」。

とっても大事な場面なのに聞こえなかったのがすごく悲しかった…!叫び過ぎて反響した感じでした。前から5列目で聞こえないとかある?!と思ったけど。『彼女』が生まれてショーへ。ディーン含むクラスメイトが集結する中赤いドレスで登場!ってところで一幕は終わり。

え、ショーやらないの?となったけれど(この感情、2幕でも来る)登場が一番印象的なのは確かなので強烈に残しておいて2幕へ、って入りは正しいのかな。私はこれ以降、キーアイテムであるはずの赤いハイヒールが基本的に出てこないのが悲しかった。

2幕感想に続く!